MMM(メディアミックスモデリング)は、何を測ろうとしているのか
広告の効果を評価しようとするとき、つい「どの広告が、どの成果を生んだか」を追いかけてしまう。
しかし、現実の売上や成果は、単一の広告接点だけで生まれているわけではない。
テレビ、デジタル広告、検索、店頭施策、価格、季節性、競合状況。
さまざまな要因が重なり合った結果として、数字は動いている。
MMM(メディアミックスモデリング)は、個別のクリックではなく、広告費、季節、競合状況などの『大きな流れ』から、売上の要因を統計的に割り出す手法。
かつては大企業が数ヶ月かけて行うものだったが、現在はAIとSaaSの進化により、「誰でも・早く・安く」実施できる身近な分析手法になっている。
なぜ今、MMMが必要なのか
従来のLTA(ラストタッチアトリビューション)は「木(クリック)」を見ています。対してMMMは「森(事業全体)」を見ている。
- LTAの限界
プライバシー規制(Cookie廃止)により、個人の追跡が困難になっている。 - MMMの強み
個人データを追跡せず、マクロなデータを使うため、Cookie規制の影響を受けない。
TikTokのような「動画を見て欲しくなる(が、すぐにはクリックしない)」メディアは、LTAでは過小評価されがち。
調査では、MMMを用いて正しく評価した場合、TikTokのROI(投資対効果)は、ラストクリックモデルの最大23倍になる可能性があることが分かっている。 つまり、LTAだけを見ていると、「実は最も儲かっている広告」を停止してしまうリスクがある。
MMMが見ているもの/見ていないもの
MMMが見ているのは、
- 施策全体の配分
- 時系列での変化
- 外部要因を含めた相関
一方で、見ていないものも明確。
- 個々のユーザー行動
- 単一広告の直接的な成果
- 短期的な変動の理由
MMMは、「この広告が、この成果を生んだ」とは言わない代わりに、「この期間において、この施策群が、全体として
どの程度寄与していそうか」という問いに答えようとする。
MMMの進化系「AIM(Always-On Incremental Measurement)」
MMMはモデル構築に時間がかかり、日々の運用最適化やクリエイティブ単位の改善には不向きと見られていたが、現在はAIやSaaSを活用した次世代MMM「AIM(Always-On Incremental Measurement)」が登場。
リアルタイムに近いスピードで分析が可能になりつつあり、約1.4倍のTikTok由来の収益イベントを特定できたという結果も出ている。
実践方法
TikTok広告マネージャーには「MMMデータ」を取得する専用機能(UI/API)があり、以下のデータを簡単にエクスポートできる。
- ペイドデータ
広告費、インプレッション(Pangle含む) - アーンドデータ
オーガニック動画やブランドエフェクトによる自然流入 これらをMMMツール(SaaS)に読み込ませるだけで、高度な分析が可能。
まとめ
MMMは「学術的な分析」ではなく、「予算配分で失敗しないための実務ツール」。
日々の入札はLTA(管理画面)で行い、四半期の予算配分はMMMで決める。この「二刀流」こそが、2026年の勝ちパターン。
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