計測の数字が合わない理由
広告の管理画面、レポート、社内資料。
同じ施策を見ているはずなのに、数字が噛み合わないことは珍しくない。
「どれが正しいのか分からない」
「説明しようとすると詰まる」
計測のズレは、ミスというより、前提の違いから生まれることが多い。
数字が合わないのは異常ではない
まず前提として、広告の数字は「事実そのもの」ではない。
どの数字も、
・何を成果とするか
・どこまでを影響とみなすか
というルールの上で集計された結果。
前提が違えば、数字が合わないのは自然なこと。
よくあるズレの原因①|成果定義の違い
- クリック後の成果だけを見る
- 表示後の成果も含める
- 即時成果のみを見る
- 一定期間内の行動を含める
同じ「CV」や「売上」でも、どこまでを成果に含めるかで、数値は変わる。
これは正誤ではなく、定義の違い。
また、6秒以上の視聴を評価するEVTAを含めるかどうかでも数字は変わる。
よくあるズレの原因②|計測期間の違い
- 当日成果
- 7日以内
- 14日以内
- 30日以内
計測期間(アトリビューションウィンドウ)が違えば、当然、成果の合計も変わる。
特に、検討期間が長い商材や、認知施策を含む場合、短い期間だけを見ると成果は小さく見えやすい。
よくあるズレの原因③|接触点の扱い方
- 最後に接触した広告だけを見る
- 途中の接触も評価する
- 視聴のみを含めるかどうか
ビュースルーアトリビューション(VTA)を含めるかどうかで、成果の見え方は大きく変わる。
「影響していないのにカウントしている」のではなく、影響をどう解釈するかの違い。
管理画面と実態がズレる理由
管理画面の数字は、その媒体内のルールで完結している。
一方、実際の購買行動は、
- 他媒体
- 検索
- オフライン
など、複数の要因が絡み合う。
そのため、管理画面の数字だけですべてを説明しようとすると、無理が生じる。
管理画面が採用するLTA(ラストタッチ)モデルは、ユーザーの71〜91%を占める「慎重な意思決定者」の貢献を見落としやすく、成果を最大23倍も過小評価することがある。
どう向き合えばいいか
数字を「揃える」ことよりも、次の点を揃えるほうが重要。
- どの数字を、何の判断に使うのか
- 短期評価なのか、中長期評価なのか
- 比較対象は何か
数字は結論ではなく、判断材料のひとつに過ぎない。
広告マネージャーの数字だけでなく、トップダウン視点のMMM(メディアミックスモデリング)を併用することで、追跡困難な貢献も含めた全体像を把握できる。
メモ
- 数字は事実ではなく、解釈された結果
- 合わないのは異常ではない
- 前提(定義・期間・接触点)を確認する
- 判断目的に合った数字を見る
- 計測ルールとして、コンバージョンはいずれか「1つのタッチポイント」にのみ帰属するため、媒体内で重複して数えられることはない
